釈迦如来(しゃかにょらい)
釈迦如来は、インドの釈迦族の王子として実在しましたが、28歳で王位継承者の地位を捨て、
四苦(生・老・病・死)から解放される道をもとめ、各地の先覚や修行者を訪れ、6年にわたる
苦行を経てガヤー村の菩提樹の下て大悟を得て仏陀(覚者)となった仏教の始祖です。
悟りを得た仏陀釈尊は、45年間インドの諸国を説法して巡り教えを広めましたが、
80歳に達した釈迦は死期を悟られ、クシナーラー域外の沙羅双樹下でかけつけたお弟子達に
囲まれながら最後の説法を行い、自ら頭を北にし顔を西面する横臥の姿で入寂され涅槃に
入られました。
このような釈迦の生涯の伝記にもとづく絵や像は、インド以来仏教の教えが伝わった諸国において
表現され祀られてきました。日本ても釈迦像や伝記絵は多く表されていますが、
その中でも4日8日の花まつり(仏生会・灌仏会)に祀られる釈迦誕生像、
菩提樹下て大悟を得で仏陀となり衆生に説法している姿の成道像、沙羅双樹下て頭北面西の姿で
弟子達にみまもられながら静かに入寂される姿の涅槃図が、釈迦の威徳を偲ぶ法要などの行事に
本尊として祀られるなど、拝する機会が多いかと思います。
また釈迦如来を中心に文殊・普賢菩薩を脇侍とする釈迦三尊像も多くみられます。
密教尊としての釈迦如来は、人々を救済し、なすべきことを成就し、煩悩を消滅し涅槃を得る
大日如来の智徳をつかさどる仏です。
胎蔵界曼荼羅の釈迦院の主尊で、また中台八葉院北方の天鼓雷音仏と同体尊とされ、
金剛界成身会北方の不空成就如来とも同体とされています。
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