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数取り地蔵尊からしばらく行くと、右手に「武田信玄公」の墓所がありますが、その前に腰掛け石があります。
昔は「息処石」と書いて「腰掛け石」と読んだそうです。弘法大師が、ちょっと休憩にと、腰を掛けた石とであるという言い伝えがあります。
腰掛け石とは直接関係ありませんが、今から30年程前までは、この腰掛け石の付近で、「一筆龍」というものを書いていた方が居られたのを覚えています。白装束にひげを蓄えた方だったと思いますが、やや光沢のある紙に、一筆書きで龍(蛇)に似た文字を書いておられました。龍の鱗をも表現したもので、さらに出来上がると文字全体が龍というよりは蛇の姿のようになっていました。当時、私は小学生で、初めて高野山に登った時でしたので、おどろおどろしい「蛇の字を書くおじさん」を見て、また千年以上前の人物が腰を掛けた石が大切にされてそこにある現実など、何とも言えない不思議さを感じたのが強く印象に残っています。

高野山絵図より
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