現代の奉納品展Tリスト

期間:平成8年12月4日(水)〜平成9年3月2日(日)
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要 旨
  ここで云うところの「現代」とは、昭和(1926〜)から現在までをいい、「奉納品」とは、総本山金剛峯寺乃至は当高野山霊宝館に奉納された品々をいいます。
 古来より、寺院仏閣に品々を奉納するという作善行為は、連綿と続いて来ました。その中には、寺院の運営に関わる寺領(寺院の所有する荘園領地)の安堵なども寄進奉納の内に入れる事が出来るかと思います。即ち寺院に伝わる宝物の大半は奉納といっても過言ではありません。事実、御影堂宝庫に収納されていた大多数の品々は奉納品で占められており、現在、国宝に指定されている弘法大師著書の『聾瞽指帰』さえも、多くの人の手を経て最終的には室町時代の天文五年(1536)に、堺の前田仲源五郎から御影堂に奉納されたことが、奥書から判明しています。
 また、江戸期の高野山に於いては、徳川家が高野山を菩提所と定めたため、全国の諸大名も競って高野山と寺檀関係を結び、有名なところでは武田信玄などをはじめとする武将の刀剣類や肖像画、先祖伝来の仏菩薩像などが菩提を弔う目的で奉納されました。
 現在に至っては、当代の著名画家による作品はその時々に奉納され、書家による写経なども挙げることができます。中でも高僧による曼荼羅図や当代画家による作品など見るべきものがあります。又、家宝として伝来した古仏類なども奉納されております。これらの一端を展観し、現代の奉納品にみる美術を観賞していただこうとするものです。

番号
品質 名称 作者 員数 時代 所有寺院
1
紙本著色 弘法大師像 木村武山筆 一幅 昭和時代 金剛峯寺
2
紙本著色 両部曼荼羅図(伝真言院曼荼羅図) 建部快運筆 二幅 昭和時代 金剛峯寺
3
紙本淡彩 両部曼荼羅図(子島曼荼羅図) 建部快運筆 二幅 昭和時代 金剛峯寺
4
絹本金泥 金剛界曼荼羅一印会大日如来像 長島博山筆 一幅 昭和時代 金剛峯寺
5
絹本金泥 胎蔵界曼荼羅中台八葉院図 長島博山筆 一幅 昭和時代 金剛峯寺
6
紺紙金泥 大日如来像 木村武山筆 一幅 昭和時代 金剛峯寺
7
紙本墨画 小説弘法大師挿絵 木村武山筆 四巻の内 昭和時代 金剛峯寺
8
象牙線刻 弘法大師空海詩三首 儒作(中国陝西省博物館員) 一点 昭和時代 金剛峯寺
9
象牙線刻 風信帖 儒作(中国陝西省博物館員) 一点 昭和時代 金剛峯寺
10
陶器 手造茶碗 富岡鐵斎、同春子夫妻合作 一口 大正時代 金剛峯寺
11
紙本墨書 般若理趣経 新川一男筆 一巻 昭和時代 金剛峯寺
12
紙本墨書 般若心経 十九人合作 一巻 昭和時代 金剛峯寺
13
紙本墨書 法華経(妙法蓮華経方便品) 長田悦子筆 二十八巻の内 昭和時代 金剛峯寺
14
紙本墨書 法華経(妙法蓮華経普賢菩薩発品) 小杉逸子筆 二十八巻の内 昭和時代 金剛峯寺
15
金銀箔押 陀羅尼真言抄 石塚青我作 一巻 昭和時代 金剛峯寺
16
紺紙木版画金箔摺 両部曼荼羅図 彫師菊田幸次郎作 二幅 昭和時代 金剛峯寺
17
木造 仏頭像 一躯 昭和時代 金剛峯寺
18
銅造 仏頭像 一躯 時代不明 金剛峯寺
19
銅造 釈迦誕生立像 高橋才治郎 一躯 昭和時代 金剛峯寺
20
銅造 観音菩薩坐像 一躯 江戸時代 金剛峯寺
21
木造 大黒天立像 神谷昌吾作 一躯 昭和時代 金剛峯寺
22
金銅製 不動明王立像(波切不動複製)   一躯 昭和時代 霊宝館
23
紙本墨書 妙法蓮華三部経 稲垣淳太郎筆 五帖一帙 昭和時代 金剛峯寺
24
紙本版画 西国三十三番観音菩薩像 一幅 昭和時代 金剛峯寺
25
絹本金泥 六字名号 一幀 江戸時代 金剛峯寺
26
鉄製 太刀・短刀 大隅俊平製作 二口 昭和時代 金剛峯寺
27
紙本著色 老梅之図 川口楽土筆 一幅 昭和時代 金剛峯寺

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