愛染明王について

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重文・愛染明王像 金蔵院  愛染明王(あいぜんみょうおう)   

 愛染明王は、頭に獅子冠をかぶり、髪を逆立て、三目で、牙をむき出して□をカッと開き 6本の腕を持った恐ろしい姿の忍怒(ふんぬ)尊です。

 愛染という名前のとおり、愛情・情欲をつかさどり、愛欲貪染をそのまま浄菩提心 (悟りの心)にかえる力をもち、煩悩即菩提を象徴した明王です。すなれち、 人間にはさまざまな欲望がありますが、この欲望は人間には滅亡へとかりたてる力を持つとともに、 時には生きて行くうえでの活力源となり、より多くのものを可能にし、高める力を持っています。 この両刃の剣である力強い欲望の工ネルギーを、悟りを求め自らを高めようとする積極的なエネ ルギーに浄化しようというのが愛染明王の教えです。

 弘法大師によって日本に伝えられた愛染明王は、愛情などの敬愛を祈るほか、息災・増益・ 調伏を祈る本尊として、特に鎌倉時代以降に広く信仰されるようになりました。 重文・両頭愛染曼荼羅図 金剛峯寺

 また愛染明王には、天に向かって矢を射る姿の「天弓愛染明王」や不動明王と愛染明王の 二つの顔を持った「両頭愛染明王」などの名称をもつ異形の像があり、高野山にもこれらの 異形像が伝わっています。

 愛染明王は、胎蔵・金剛界の両部曼荼羅にその姿は描かれていません。しかし、弘法大師が 中国より請来された『瑜祇経(ゆぎきょう)』に説かれています。


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